渉外養子離縁

 

 昨日、海外に在住の女性から、日本人夫婦と韓国人女性の養子離縁の相談を受けました。

養子の女性が、無断で養親の財産を搾取したり、いろいろと問題が発覚したため、養子縁組を解消したい意向です。 海外で渉外養子離縁の手続きはどうすればよいのか?

 

 「法の適用に関する通則法」31条に養子縁組の規定がありますので、国際養子の日本法の想定の範囲ですが、養子が、どこの国籍で何歳かといったことなど具体的条件がからんでくきます。 さらに、日本永住のためには、外国国籍の養子を帰化させるかどうかという問題も生じてきます。 

 

 法の適用に関する通則法31条は次の通りです。基本的には、養親が日本人養子離縁は養親と養子との協議で行います(民法811条1項)。 養子縁組は養子が満15歳以上であれば、単独で養親との離縁協議をすることが出来ます(民法811条2項)。 但し、養親が死亡した後に、養子縁組を解消したいときは、家庭裁判所の許可が必要です。 離縁の協議が出来ないときは、家庭裁判所に離縁調停を申立てます。 この調停は、養親と養子双方が離縁に合意しなければなりません。 調停が成立しないときは、離縁の裁判の訴えを家庭裁判所に提起します。 裁判で離縁が認められるには、民法814条で定められた離縁原因に該当することが必要です。

民法814条の離縁原因とは、

1.他の一方から悪意で遺棄されたとき

2.他の一方の生死が3年以上明らかでないとき

3.その他縁組を継続し難い理由があるとき

   ①重大なが虐待や侮辱

   ②性格の不一致

   ③養親が精神病で子の養育が不可能

   ④養子の浪費、犯罪行為 など

 

養子縁組の取消し原因

 ①養親が未成年者である縁組の場合、(民法804条)

 ②養子が尊属又は、年長者である場合、(民法805条)

 ③後見人と被後見人の家庭裁判所の許可がない場合、(民法806条)

 ④配偶者の同意のない場合、(民法806条の2)

 ⑤子の監護をすべき者の同意がない場合、(民法806条の3)

 ⑥養子が未成年者である場合の家庭裁判所の無許可縁組の場合、(民法807条)

 ⑦詐欺または脅迫による場合 (民法808条)

 なら、

 

日本法の手続きで養子縁組できることになりますが、場合により、養子の母国の法も累積適用になります。