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数年来、選挙権年齢や成人年齢の18歳への引き下げがクローズアップされています。 成人年齢に達すると選挙権、飲酒などの大人の権利を得ることになりますが、反面、大人の義務を負うことになります。 未成年の凶悪犯罪者は、未成年を理由に死刑に処せられることは、殆どありませんでしたが、成人と同じ刑罰に処せられることになります。
2007年に成立した国民投票法は、国民投票できる年齢を18歳以上とするのに合わせ、選挙権年齢と成人年齢も18歳とする想定になっていました。 しかし、国家公務員の政治行為の制限緩和などとともに、この引き下げ問題では与野党の議論が折り合わず、宿題として検討課題になった経緯があります。 そのため、今回の改正案で選挙権年齢や成人年齢が引き下げられるのかどうか、注目を集めているのです。
世界の選挙権年齢を参考に、見てみますと、2007年、オーストリアが国政および地方選挙での選挙権を16歳へと引き下げました。 これが最も代表的な例ですが、その他にもドイツ、ノルウェー、スイスでは特区の州や市町村で16歳への引き下げが行われており、スロバキアでは労働者に限定して16歳まで選挙権を保障、デンマーク、スウェーデンでも16歳への引き下げに向けた検討が行われています。
日本においても同じ2007年、国民投票法の成立によって、18歳選挙権の実現が見えました。 施行される3年後の2010年までに、公職選挙法を見直し、選挙権を18歳にする事が法律の中に明記されたからです。 それから4年が経ちましたが、選挙権は引き下げられる事はなく、法律は違法状態になったままです。 それどころか、年末の国会会期末の2013年12月、自民・公明両党は、国民投票年齢を4年間は20歳、その後は18歳にするものの、選挙権・成年年齢は20歳に維持するという法案で合意してしまいました。
ようやく世界に追いつけると思った矢先、日本は20歳へと現実を戻されて、世界の針は逆に16歳へと進んでいきました。 世界の18歳選挙権から遅れていた日本は、さらに差を広げられ、既に周回遅れの、「世界で最も若者の声を聞かない国」の一つになってしました。
さらに言えば、日本は、若手政治家も少なすぎます。 国会議員に占める30歳未満の若手政治家の割合を見ると、ドイツが6.0%、ノルウェー5.6%、スウェーデン5.0%であるのに対し、日本はわずか0.6%しかいません。 ドイツとの比較では、約10倍の差があります。
国政選挙権を16歳に引き下げたオーストリアでは、被選挙権についても18歳まで引き下げた。 すでにアメリカでは、2001年にペンシルバニア州マウントカーボン町に18歳の大学生町長が誕生し、2005年にはミシガン州ヒルズデール市に18歳の高校生市長が誕生しています。 ノルウェーやオーストラリアにおける16歳選挙権の実践では、その結果、政治的成熟度、政治への関心、ニュースを見る頻度などが高まっているという研究結果も出ています。
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