「横浜のアオヤギ行政書士事務所」が22回も建設完成を延期している六ケ所村の核燃料再処理工場につき解説します。 ご質問やご意見は下記のフォームに記載のうえ、メールにて送信下さい。
六ヶ所再処理工場 は、日本原燃が所有する核燃料の再処理工場です。 1993年から青森県六ケ所村弥栄平地区において建設が進められています。
日本の原子力発電所で燃やされた使用済み核燃料を集めて、その中から核燃料のウランとプルトニウムを取り出すのが、六ヶ所村の再処理工場の役目です。 当初発表されていた完成予定は1997年で、その建設費用は7600億円でしたが、遅れに遅れて、すでに約2兆1,900億円以上の費用が掛かっています。 この費用は、国民の税金と電気代の中から拠出されているのです。
使用済み核燃料の再処理工場は試験運転の段階でトラブルが相次ぎ、完成時期が延期されるのは、もう一度言いますが、今回で22回目です。 政府は、原子力発電所から出る使用済み核燃料を再処理して利用する「核燃料サイクル」の推進を掲げていますが、工場の完成が長引けば政策の実現は遠のくことになります。 小職は、再処理なんてもともと、不可能だったのでは、関係者の既得権や利権のためだけに継続しているのでは、と思わずにはいれません。
過去の事故やトラブル
2006年2月20日:低レベル廃棄物処理建屋内で、放射性物質を含む低レベル濃縮廃液約68リットルが漏れたと発表しました。 当該箇所は通常では人の立ち入りがない場所であるため、作業員の被曝はありませんでした。
2006年5月18日:精製建屋内で、プルトニウム洗浄器セルに供給する硝酸ウラナス溶液約7リットルが漏洩していたと発表しました。
2006年5月25日:分析建屋にて作業を行っていた作業員1名が、微量の放射性物質を体内に摂取していたことを発表しました。
2006年6月9日:「再処理工場分析建屋における微量の放射性物質の体内への取り込みについて(調査結果と今後の対応)」という文書で、当該作業員の預託実効線量は0.014mSvであったと発表しました。
2006年6月24日:分析建屋にて作業をしていた作業員1名が内部被曝の可能性があると発表しました。
2006年7月3日:2006年6月24日に発表されました、分析建屋作業員の内部被曝に関する調査結果を発表しました。 この調査結果によると、作業員から放射性物質は検出されず、作業員の内部被曝はありませんでした。
2007年1月22日:低レベル廃棄物処理建屋内で放射性物質を含む洗浄水約20リットル(推定)が漏れたと発表しました。 ウランやプルトニウムは検出されず、作業員の被曝はありませんでした。
2007年3月12日:ウラン・プルトニウム混合脱硝建屋内で、ウラン・プルトニウムの硝酸溶液を乾燥させるための皿に、誤って2バッチ分の溶液を供給したと発表しました。
2007年10月11日:前処理建屋内に設置されている、エンドピースを洗浄する装置の部品が変形していることを発表しました。
2007年10月23日:前処理建屋内に設置されています、エンドピース洗浄装置の部品変形に関する調査結果を発表しました。
2008年1月4日:前処理建屋内に設置されています、使用済燃料の剪断機から作動油約750リットルが漏れたと発表しました。 なお、漏洩箇所は使用済燃料を剪断しているセル内ではなく、漏洩した作動油に放射性物質は含まれていませんでした。
2009年9月:原子力委員会「再処理施設安全調査プロジェクト」の会合で、廃液漏洩などの不祥事が続発していることが明らかになりました。
2010年8月2日:使用済み核燃料再処理工場の建屋で、高レベル放射性廃液が、廃液濃縮缶内から、缶内の温度計保護管内に漏れたと発表しました。 男性作業員の両手とあごに微量の放射性物質が付着しましたが、男性の健康や環境への影響はないといいます。 7月30日、作業員5人が温度計を交換作業で抜き出したところ、温度計を置いたビニールシート上に基準値の約18倍となる放射性物質の付着が確認されました。 温度計保護管に欠陥があり、廃液が管内に漏えいしたとみられています。
2011年3月11日:東北地方太平洋沖地震により外部電源を喪失、非常用ディーゼル発電機2機で冷却水循環ポンプ等に給電しましたが、14日23時40分、ディーゼル発電機1機に不具合を生じたため停止して外部電源を使用、2時33分に給電が復旧しました。 残る1機も外部電源に切り替えました。 また13日には使用済み核燃料の貯蔵プールの水約600リットルがもれていたことなどが報じられました。
コメントをお書きください