保護者制度ってなに?

 「横浜のアオヤギ行政書士事務所」保護者制度廃止につき解説いたします、ご質問やご意見は下記のフォームに記載のうえ、メールにて送信下さい。

 

 小職は、現在職業成年後見人をしております、その被成年後見は、統合失調症などの病気に侵されております。 また、親族などは存在しません。 従って、医療保護入院の同意権は、保護者制度の廃止により、大きく変わりました。

 保護者制度とは、精神保健福祉法上、わが国で延々と続けられてきた精神疾患にある人の非自発的入院を「私人の責任・費用」で行ってきた、精神疾患者を保護するための制度です。   精神疾患者については、後見人又は保佐人、配偶者、親権を行う者及び扶養義務者が保護者となるとされています(精神保健福祉法第20条)。  

 扶養義務者が数人いるような場合は家庭裁判所により保護者が選任されることもあります。 さらに、保護者がおらず、また保護者がその義務を行うことができないときは精神障害者の居住地を管轄する市町村長が保護者となります。

 保護者は、精神疾患者の財産上の保護も担いますが(成年後見人とは異なり、役割として一番大きいのは、医療保護入院の同意権を持つことです。 医師が精神病患者の入院が必要と判断した時に、本来であれば本人の同意が必要なところ、仮に本人が入院を拒んでいても保護者の同意により入院させることができるというものです(精神保健福祉法第33条)。
 このような保護者制度が精神保健福祉法の改正により平成26年4月1日より廃止されました。 そして、医療保護入院は指定医の診断があれば保護者の同意がなくても、家族等のうちのいずれかの者の同意で可能となりました。 ここでいう「家族等」には、配偶者、親権者、扶養義務者、後見人又は保佐人が含まれます。 改正法施行前の現在と大きく異なるのはこれらの者に順位がついていないことです。

 改正の背景には、これまでの保護者の権限が家族にとっては重い負担になっていることが挙げられます。 例えば、精神疾患の妻を持つ保護者の夫は妻が入院を拒んでいる時に本人のためと思って同意しても、結果的にそれを理解しない本人から恨まれることになってしまうのです。 そのような親族の辛い状況は珍しくなく、精神的負担を大きくしているのも事実です。 

 しかし、保護者の同意を不要とし、一方で「家族等」という広い範囲の人からの同意で足りるとすることは強制的な入院を事実上広げることになります。

 成年後見人は改正前までは保護者として第一順位の権限を持っていましたが、今年4月以降は第一順位ではなくなりました、医療保護入院の同意を巡って他の家族と意見対立する可能性もあります。

 いずれにしても入院は任意が原則であるところ、医療保護入院は本人の意思に反する以上例外的なものであります。 改正法は精神科病院の管理者に退院後の生活環境に関する相談及び指導を行う精神保健福祉士等の設置、地域援助事業者との連携、退院促進のための体制整備を義務づけています。 

 

 

 

 

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コメント: 4
  • #1

    Bethany Coombs (月曜日, 23 1月 2017 09:46)


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  • #2

    後山洋三郎 (木曜日, 23 9月 2021 18:35)

    私の弟(72才)世帯は別・独身、弟は統合失調症の障害者1級で重く、金銭管理は全くなく長期入院の繰り返し、生活支援や彼の預金を管理しながら苦労してます。この度超高齢の母が亡くなり、遺産が弟にも贈与されます。弟名義にすると金銭感覚がないので、他人にお金をばらまく性癖もあり心配です。平成11年に私は保護者選任を認められております。後見人になり、彼の預り金として金銭管理をしたいと考えます。何か方法が有りましたらご教授ください。

  • #3

    行政書士 青柳保廣 (金曜日, 24 9月 2021 06:32)

    後山洋三郎さん、
    回答いたします。
    成年後見の申立てをお住まいの住所地を管轄する家庭裁判所することになります。
    申立てには、医者の診断書(成年後見用)が要ります。 事理弁識能力(判断能力)に
    よって、被成年後見人、被保佐人、被補助人と3段階あります。 
    詳しくは、家庭裁判所の成年後見課の相談窓口で相談してください。
    申立書の後見人候補者に後山さんを記載しても、ご年齢の観点から後山さんが選任され
    るとは限りませんので、この点も家庭裁判所にご相談ください。

  • #4

    がんばるまん (金曜日, 29 10月 2021 21:15)

    精神障害者同士で籍を入れた場合双方が相手の保護者になれるのでしょうか?