シングルマザーの貧困問題

 「横浜のアオヤギ行政書士事務所」シングルマザーの貧困につき、解説いたします、ご相談やご質問は下記のフォームに記載のうえ、メールにて送信下さい、 

 

 OECDが纏めた子供の貧困に関するデータによりますと、どの国でも、無職の一人親世帯の貧困率は高くなっており、日本の貧困率が突出して高いわけでありません。しかし、大変驚くことに、仕事がある一人親世帯の貧困率です。 日本における無職の一人親世帯の貧困率は50.0%以上なのですが、仕事があっても、その貧困率は同じです。

 一方、外国は仕事がある場合の貧困率は、軒並み20%以下に下がっています。 日本では、一人親の世帯の場合、働いていても、働いていなくても、半分が貧困になっているという状況なのです。 この統計では一人親であることしか分かりませんが、一人親世帯のかなりの割合がシングルマザーである可能性が高いので、この数字は彼女たちの窮状を反映しています。 

 小泉政権の構造改革が格差社会を助長した要因は、労働基準法の改悪です。 2003年には、期限付き労働契約を1年から3年に延長、また2005年には、労働者派遣法を改正し製造業の派遣を解禁しました。 その結果、女性の就業者のうち半数以上が非正規労働者となり、女性の非正規労働者の平均年収は200万円程度であり、これは正社員の約半分です。 この水準では、子育てなどは不可能ということになります。 安倍晋三首相

 こうした状況に対して、安倍政権が、少子高齢化対策を謳っていますが、実情は、全く逆の政策を行っているわけです。 すなわち「最長3年」を原則とする派遣期間を、「無期限派遣」ができるようにしようとするものです  2015年からの実施される予定です。 派遣労働が主流になれば、働く者の貧困化はさらに加速されてしまいます。 安倍政権、そして自民党の大スポンサーは大企業であり、経営者側に立つ政党だから、当然といえば当然の動きですね。 本来、無期限派遣法案の提出と同時に、最低賃金の50%アップを出すべきなのです。

 この状況では、益々、少子が進み、取り返しのつかないことになるのは明白です。 

少子対策は、そんなに難しいことではありません。 介護保険で、特に高齢者にのみ、優遇している現状からも、同じ優遇策を困窮しているシングルマザーに介護保険的な保険を造ればいい訳です。 一方、シングルマザーを含む、全ての最低賃金を50%アップする。 そもそも、時給が安すぎるのが問題です。

 次に、シングルマザーの子供のケアは、国または、公共団体がケアする。 また、年収が200万円以下のシングルマザーには、生活保護的補助金を支給する。 そんなところですね。 簡単なことです。

   一方で、シングルマザーの多くが、DV被害者になっているという実態などを考慮し、明確な、納得のできる、政策を早急に決定してほしいものです。 このような家庭環境では、十分な教育が受けられなく、機会の平等も保証されていません。 いずれにせよ、仕事を持っていても生活を維持できない、生活保護者以下の生活しかできない状況は、健全な市場メカニズムが働いていません。