自転車の道路交通法

 「横浜の青柳行政書士事務所」が自転車の道路交通法違反につき、解説いたします。 自転車は、道路交通法上は「軽車両」となっています。 自転車を購入するときには、道路交通法を知らない人でも簡単に購入できますが、自転車を運転するのは、自動車を運転するのと同様に道路交通法を守らなければ、罰則が科せられます。 ご質問やご意見は下記のフォームに記載のうえ、メールにて送信下さい。 なお、返信希望のご質問には、貴メールアドレスの記載をお忘れなく。

 自転車の定義

 ペダル又はハンド・クランクを用い、かつ、人の力により運転する二輪以上の車であって、身体障害者用の車いす、歩行補助車等及び小児用の車以外のものです。

普通自転車の定義 

  一般に使用されている自転車で、車体の大きさ及び構造が内閣府令で定める基準に適合する二輪又は三輪の自転車で他の車両をけん引していないものをいいます。 

道路交通法自転車の通行の規定

1.自転車は、車道が原則、歩道は例外

2.車道は左側を通行

3.歩道は歩行者優先で、車道寄りを徐行、ただし、歩道通行できるのは、
  ①道路標識等で通行することができるとされている場合
  ②自転車の運転者が高齢者や児童、幼児等の場合
  ③車道又は交通の状況からみてやむを得ないと認められる場合

詳しくは、

①歩車道の区分のある区間(③を除く)
5-3_1

 ・歩道等と車道の区別のある道路においては、車道を通行しなければならない。

  →車道通行の原則(道路交通法 第17条第1項)

 ・道路の左側端に寄って通行しなければならない。

  →車道の左側端通行(道路交通法 第18条第1項)

②自転車専用通行帯(自転車レーン)がある場合
5-3_2

 ・車両通行帯の設けられた道路において道路標識等により通行の区分が指定されて 

  いる場合には、指定された車両通行帯を通行しなければならない
  →自転車専用通行帯(自転車レーン)を通行(道路交通法 第20条第2項)

③自転車道がある区間
5-3_3

 ・自転車道が設置されている場合には、やむを得ない場合等を除き、自転車道を通

  行しなければならない
  →自転車道通行の原則(道路交通法 第63条第3項)

④自転車歩行者道
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○歩道通行の場合

 ・道路標識等により通行することができるとされている歩道を通行することができ

  る
  →道路標識等により通行可(道路交通法 第63条の4第1項)

 ・自転車は歩道の中央から車道寄りの部分を徐行しなければならない
  →歩道中央より車道寄りを通行(道路交通法 第63条の4第2項)

⑤路側帯が設置してある区間

 ・自転車は、路側帯と車道の区別のある道路においては、車道を通行しなければな 

  らない。この際、自転車は、車道の左側端に寄って通行しなければならない。

  ただし、歩行者の通行を妨げることとなる場合を除き、道路の左側部分に設けら

  れた路側帯(軽車両の通行が禁止されている路側帯を除く。)を通行することが

  できる。
  →道路の左側に設置された路側帯の通行可(道路交通法 第17条の2) 

 

乗ってはいけない自転車

 内閣府令で定める基準に適合するブレーキを備えていないために、交通の危険を生じる恐れのあるものや夜間において、前照灯がつかず、また、後部反射器材又は尾灯が備え付けられてないものです。

 

乗る前に確認すべきこと

① ブレーキは前輪及び後輪にかかり、時速10km / hのとき、3メートル以内の距 

  離で停止させることができること。

② 前照灯は、白色又は淡黄色で、夜間前方10メートルの距離にある交通上の障害物

  を確認することができる光度を有するもの。

③ 反射器材は、夜間、後方100メートルの距離から自動車の前照灯で照らして、そ

  の反射光を容易に確認できるもの。 

 自転車の罰則

5年以下の懲役又は100万円以下の罰金

 酒酔い運転、麻薬等運転

3年以下の懲役又は50万円以下の罰金

 過労運転

1年以下の懲役又は10万円以下の罰金

 轢き逃げ、当て逃げ、負傷者救護義務違反

6月以下の懲役又は10万円以下の罰金

 速度超過

過失犯の場合は3月以下の懲役又は10万円以下の罰金、3月以下の懲役又は5万円以下の罰金(過失罰あり)

 信号無視、通行禁止違反、歩行者用道路における徐行違反、追越禁止場所における 

 追越違反、踏切一時停止違反・遮断踏切立ち入り、横断歩道等における横断歩行者

 等妨害、徐行場所における徐行違反、一時停止違反、安全運転義務違反

過失犯の場合は10万円以下の罰金、3月以下の懲役又は5万円以下の罰金(過失罰なし)

 警察官現場指示違反・警察官通行禁止制限違反、急ブレーキ禁止違反、通行区分違 

 反、歩行者側方安全間隔不保持、(法定)横断禁止違反、追越方法違反、優先道路

 通行車妨害・交差点安全進行義務違反、交差点における横断歩行者妨害、幼児等通

 行妨害、交通事故報告義務違反

5万円以下の罰金(過失罰あり)

 通行帯違反、(指定)横断禁止違反、無灯火、合図不履行・合図制限違反、警音器

 吹鳴義務違反、ブレーキなし自転車、携帯電話使用、イヤホン使用

過失犯の場合も5万円以下の罰金、5万円以下の罰金(過失罰なし)

 車間距離不保持、進路変更禁止違反、追い付かれた車両の義務違反、交差点優先車 

 妨害(左方優先違反)、自転車の検査拒否等、泥はね運転、公安委員会遵守事項違

 反、乗車方法違反(座席以外への乗車)、交通事故現場からの無断立去

2万円以下の罰金又は科料

 自転車の通行方法指示違反、路側帯の歩行者妨害、並進違反、道路外出左折方法違

 反、交差点右左折方法違反、自転車道の通行区分違反、歩道の歩行者妨害等、警音

 器使用制限違反公安委員会乗車積載制限等違反

罰則のないもの

 左側端寄り通行違反、みだりな進路変更、自転車横断帯通行義務違反、交差点進入 

 禁止違反、酒気帯び運転 

 

道路交通法改正のポイント

平成25年12月1日施行

自転車の検査等に関する規定の新設 

ブレーキのない自転車に乗ってはいけません!

 警察官は、内閣府令で定める基準に適合するブレーキを備えていないため交通の危険を生じさせるおそれがあると認められる自転車が通行しているときは、停止させてブレーキを検査できるようになりました。さらに危険を防止するために必要な応急措置を命じ、応急措置では必要な整備ができない場合は、その自転車を運転しないよう命ずることができるようになりました。
また、これらの命令に違反した者に対しての罰則も整備されました。
検査拒否等、応急措置命令等違反は、5万円以下の罰金

軽車両の路側帯通行に関する規定の整備 

 自転車等の軽車両が通行できる路側帯は、道路の左側部分に設けられた路側帯に限ることとされました。 路側帯の右側通行をした場合は、通行区分違反として、3ヵ月以下の懲役又は5万円以下の罰金

 

 自動車事故の紛争とADR

 ◎自転車と自転車の衝突
  神奈川県内において、歩道上での自転車同士の衝突により、乗っていた幼児がほ 

  おり出され負傷したことによる一方の当事者が他方に対し損害賠償を求める場

  合。

 ◎自転車と歩行者との衝突
  神奈川県内において、自転車と歩行者が坂道と平坦な道路の出会いがしらに衝突  

  したことにより一方の当事者が他方に対し損害賠償を求める場合。

 ◎自転車が引き起こした物損事故
    神奈川県内において、自転車が信号のある交差点で接触したため、被害者の自転

      車が損傷し軽傷を負った上荷台にあったパソコンが破損し使えなくなったことに

      より、被害者が加害者に損害賠償を求める場合。

      *自転車以外の車両との衝突事故は除きます。

        

 神奈川県行政書土会が開設するADRセンター神奈川においては、「裁判外紛争解決手続の利用の促進に関する法律」第5条の規定に基づき、法務大臣の認証を取得して民間紛争解決手続を行いますが、この場合の民間紛争解決手続は、調停手続となります。 調停手続とは、中立で公正な調停人が当事者の間に入り、双方の言い分を十分に聴いた上で、お互いに納得できる解決策を一緒に考え、問題の解決に必要となる合意を形成する手続ということができます。 ここでは、裁判のように法律を適用し紛争を解決するということよりも、当事者の対話を促進し、実情に応じた解決を図るということに力点が置かれることになります。

 
調停手続きの手法          
 ①対話の促進
 ②問題点の抽出
 ③意見又ぱ要求の明確化
 ④真意に基づく利害の調整
費用          
  当ADRセンターに対する申込手数料や期日における期日手数料がかかります。
申込手数料は、当ADRセンターヘ申し込んだ方が、期日手数料は申込人及び相手方が負担する費用となります。
 
弁護士の助言体制         

 「裁判外紛争解決手続の利用の促進に関する法律」第6条第5号の認証基準である弁護士の助言体制の確保については、日本行政書士会連合会と日本弁護上連合会との平成20年3月26日付基本合意書に添った形で神奈川県行政書士会と横浜弁護土会と協定書を締結して行います。

上記協定によれば、事案の性質に即して、弁護士が助言者として、あるいは調停人として調停手続に参加します。

 

ADRのフロー          

ADR利用フロー

 

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