「横浜のアオヤギ行政書士事務所」が特別方式の遺言につき、解説いたします。
普通方式の遺言は、自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言の3通りは、すでにブログで解説いたしておりますので、そちらを参照ください。 ご質問やご意見は下記のフォームに記載のうえ、メールにて送信下さい。 なお、ご質問の返信が必要な場合は貴メールアドレスの記載をお忘れなく。
特別方式の遺言は、以下の方式があります。
①危急時遺言(一般臨終遺言):疾病などで死亡の危急が迫っているため署名などで
きない者が遺言をしようとするとき、その趣旨を口頭で伝え証人が書きとめる方
式。 三人以上の承認の立会いが必要。(民法第976条)
②隔絶地遺言:伝染病のため行政処分によって交通を断たれた場所にいる者が遺言書
を作る場合、警察官一人と証人一人以上の立会いが必要。(民法第977条)
③船舶中遺言:船舶中にある者が遺言書を作る場合、船長又は事務員一人及び証人二
人以上の立会いが必要。(民法第978条)
④船舶遭難者の遺言:船舶が遭難した場合において、当該船舶中に在って死亡の危急
に迫った者は、口頭で遺言をすることができる。 船長又は事務員一人及び二人以
上証人の立会いが必要。(民法第979条)
特別方式遺言の注意点
特別方式の遺言は、死期が差し迫っている場合などのやむを得ない状況で行う事が認められている特別な遺言の方式である為、遺言者が普通の方式で遺言を行う事ができる ようになってから6ヵ月間生存した場合には特別の方式による遺言の効力はなくなります。(民法第983条)
特別方式の遺言の民法条文
民法第976条(死亡の危急に迫った者の遺言)
2.口がきけない者が前項の規定により遺言をする場合には、遺言者は、証人の前
で、遺言の趣旨を通訳人の通訳により申述して、同項の口授に代えなければならな
い。
3.第一項後段の遺言者又は他の証人が耳が聞こえない者である場合には、遺言の趣
旨の口授又は申述を受けた者は、同項後段に規定する筆記した内容を通訳人の通訳
によりその遺言者又は他の証人に伝えて、同項後段の読み聞かせに代えることがで
きる。
4.前三項の規定によりした遺言は、遺言の日から二十日以内に、証人の一人又は利
害関係人から家庭裁判所に請求してその確認を得なければ、その効力を生じない。
5.家庭裁判所は、前項の遺言が遺言者の真意に出たものであるとの心証を得なけれ
ば、これを確認することができない。
民法第977条(伝染病隔離者の遺言)
伝染病のため行政処分によって交通を断たれた場所に在る者は、警察官一人及び証人一人以上の立会いをもって遺言書を作ることができる。
民法第978条(在船者の遺言)
船舶中に在る者は、船長又は事務員一人及び証人二人以上の立会いをもって遺言書を作ることができる。
民法第979条(船舶遭難者の遺言)
2.口がきけない者が前項の規定により遺言をする場合には、遺言者は、通訳人の通
訳によりこれをしなければならない。
3.前二項の規定に従ってした遺言は、証人が、その趣旨を筆記して、これに署名
し、印を押し、かつ、証人の一人又は利害関係人から遅滞なく家庭裁判所に請求し
てその確認を得なければ、その効力を生じない。
4.第976条第5項の規定は、前項の場合について準用する。
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