民間の老後の住まい②「有料老人ホーム」

 「横浜のアオヤギ行政書士事務所」有料老人ホームにつき解説致します、ご意見やご質問は下記のフォームに記載の上、メールにて送信下さい。 なお、返信希望のご質問には、貴メールアドレスの記載をお忘れなく。

 

 有料老人ホームとは、昭和40年代、自立自助を目指す高齢者の住まいとして誕生し、現在では、高齢者の老後の住まいとして広く知られるようになりました。 常時1人以上の老人(65才以上)を入所させて、生活サービスを提供することを目的とした施設で老人福祉施設でないものをいいます。 住所地特例※の対象であります。

※住所地特例※とは
 介護保険制度においては、65歳以上の者及び40歳以上65歳未満の医療保険加入者は、住所地の区市町村が実施する介護保険の被保険者となるのが原則ですが、住所地特例対象施設(※1)に入所又は入居し、その施設の所在地に住所を移した者については、例外として施設入所(居)前の住所地の区市町村(保険者)が実施する介護保険の被保険者になります。 これを住所地特例といい、施設所在地の区市町村の財政負担が集中するのを防ぐ目的で設けられた制度です。
(※1)介護保険施設(特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、介護療養型医療施設)、特定施設(有料老人ホーム、軽費老人ホーム、上記(1)又は(2)に該当するサービス付き高齢者向け住宅)、養護老人ホーム)   

 

 建築基準法による用途規制により、12種ある用途地域のうち工業専用地では建築できません。 その他の11の用途地域において建築可能であります。

 有料老人ホームを設置しようとするものは、あらかじめ都道府県知事へ届け出る義務があります。 但し、サービス付き高齢者向け住宅として都道府県・政令市・中核市に登録していれば、届出は不要(老人福祉法第29条第1項)です。 介護保険の適用の有無、介護サービスの内容に応じて介護付き老人ホーム(施設が介護保険事業者の指定を受けて介護サービスを提供)、住宅型有料老人ホーム(介護が必要になった場合は訪問介護など外部の在宅サービスを利用)、健康型有料老人ホーム(自立し た高齢者を対象とした施設で介護が必要となった場合は退去する」があります。 

 平均的な有料老人ホームは居室数50室ほどを持ち、約18平方メートルほどのトイレ付個室が標準であります。 リビング・ダイニングや機械浴を含む浴室は共用となっています。  民間企業が経営しているケースが多く、料金設定も様々(数百万円 - 数千万円)で入居一時金を支払う(終身)利用権方式、賃貸借方式、終身建物賃貸借方式があります。  介護保険法施行以後、日本国内には民間事業者による設立が相次ぎ、全国で2000軒以上設立されています。2000年以降に設立されたものは、主に要介護者向けの有料老人ホームであります。 2006年4月の法改正により、10人以上との人員基準が撤廃されました。 2006年以降は、都道府県により介護保険料抑制のため、年次における新規開設数が抑制されています。

 

①介護付有料老人ホーム

 介護付有料老人ホームとは、民間事業者によって運営される介護施設であり、要介護者を受け入れて施設内のスタッフが介護する「介護専用型」、要介護者と健常者を受け入れて主に施設内のスタッフが対応する「混合型」、外部事業者による介護サービスを利用する「外部サービス利用型」といった3種類あります。

 介護付有料老人ホームの特徴は、受け入れる高齢者の要介護度の幅と提供するサービスの幅が広く、施設によって異なることです。 そのため、選択肢の多い介護付有料老人ホームの選択にあたっては、施設側の対応をきちんと確認しなければなりません。

 

介護付有料老人ホームの費用

 介護付有料老人ホームの入居には、多くの場合、初期費用と月額利用料が必要になります。 施設の場所や地域、設備やスタッフによって、初期費用は0~数千万円、月額利用料は12万~30万円程度とかなり差があります。 なお近年は、入居時一時金が無料で、月額利用料を比較的高めに設定する施設も増えています。

 

介護付有料老人ホーム入居基準

 介護付有料老人ホームでは、混合型には自立した人も受け入れ、介護専用型には認知症や寝たきりの重度の要介護者を受け入れる施設もあるなど、きわめて幅広い状態の人を対象としています。また施設によって「要介護度1以上の65歳以上の高齢者」「感染症にかかっていない」「身元引受人がいる」など、受け入れ基準は様々です。

 

介護付有料老人ホームのサービス

 介護付有料老人ホームで提供されるサービスは、見守りや食事・掃除・洗濯の世話・各種レクリエーションから、介護職員や看護職員による入浴・食事・排泄などの介護、機能訓練指導員や生活相談員によるリハビリテーション・カウンセリング、医学管理下でのケアまで様々です。 ただし、医学管理下でのケアなどへの対応は施設よってかなり異なるので、事前に確認してください。

 

②住宅型有料老人ホーム

 住宅型有料老人ホームとは、民間事業者が運営する介護施設で、介護付有料老人ホームよりも軽度の要介護者や、自立・要支援状態の高齢者を受け入れています。 現在その数は、約30万室存在します。  施設内に介護スタッフが常駐していない住宅型有料老人ホームの特徴は、介護が必要なときには訪問介護や通所介護などの在宅サービスを利用することで、要介護の状態になっても施設に住み続けられることです。 ただし、「特定施設入居者生活介護」を受けていないため、利用するサービスが増えると介護付有料老人ホームよりも料金が高くなり、また要介護度が高くなると退去しなくてはならないこともあります。

 

住宅型有料老人ホームの長所

 1.レクリエーションや設備が充実している

 2.介護付きよりも利用料が割安

 3.外部サービスを利用することで、軽度の要介護状態に対応可能

 4.外部サービスを利用することで、健康状態を管理

住宅型有料老人ホームの短所

 1.重度の介護状態では、基本的に住み続けられない

 2.要介護度が高いと介護サービス費用が割高

 3.一般に、初期費用や入居費は高い

住宅型有料老人ホームの費用

 住宅型有料老人ホームの入居には、多くの場合、初期費用と月額利用料が必要になります。 施設の場所や地域、設備やスタッフによって、初期費用は0~数千万円、月額利用料は12万~30万円程度とかなり差があります。 なお近年は、入居時一時金が無料で、月額利用料を比較的高めに設定する施設も増えています。

 

住宅型有料老人ホームの入居基準

  住宅型有料老人ホームでは、基本的には自立した人を受け入れていますが、外部サービスを利用することで要支援者や軽度の要介護者を受け入れる施設もあります。  

 また施設によって「伝染病などの疾患がない」「身元引受人がいる」など受け入れ基準は様々なので、詳細は問い合わせてください。

 

住宅型有料老人ホームの提供サービス

 住宅型有料老人ホームで提供されるサービスは、施設スタッフによる見守り、食事・掃除・洗濯の世話といった生活援助や緊急時の対応のほか、外部の介護事業者による入浴や食事の介護、リハビリテーションやカウンセリングなどです。 医学管理下でのケアやリハビリテーションプログラムなどへの対応については、施設によって異なるため、確認してください。

住宅型有料老人ホームの設備

 住宅型有料老人ホームには、様々な設備が備えられています。 基本的な設備である居室、浴室・トイレなどの共同設備、食堂と共同リビングを兼用する共同生活室のほか、理美容室や医務室、キッチンや売店など、入居者の要望や入居費用に応じて、設備に豊富なバリエーションがあります。 特に違いが大きいのは、居室と共同生活室の仕様です。 居室では、広さやトイレ・浴室・キッチンなどの設備、共同生活室では、カラオケ・園芸・アトリエ・麻雀卓・図書室などの趣味設備、機能訓練室・フィットネス用具・プールなどの健康設備、その他ゲストルームや駐車場などにおいて様々なバリエーションがあります。

住宅型有料老人ホームの入所手続き: 

 住宅型有料老人ホームへの入居の申し込みは、各施設にて行います。 入居申込書の提出、訪問あるいは来訪による面談の後、住民票・健康診断書・所得証明書などの必要書類を提出し、面談の結果を施設スタッフなどが、「要介護度」「介護の必要性」「介護者の状況」「資産や収入額」などから、総合的に判断して、入居を決定します。

住宅型有料老人ホームの入所難易度: 

 住宅型有料老人ホームは、施設数が年々急速に増え、現在有料老人ホームの約3割を占めています。そのため、条件が合えば入居が特に難しいわけではありません。 ただし、13年の全国有料老人ホームの入居率は86%と、8年連続で上昇していることもあり、入居を希望する場合には、施設に早めに条件を確認したてください。

  

健康型有料老人ホーム

 健康型有料老人ホームとは、民間事業者が運営する施設であり、基本的に自立あるいは要支援状態の高齢者を受け入れています。 健康型有料老人ホームの特徴は、殆どの家事を施設スタッフに依頼でき、シニアライフを楽しむための図書室やスポーツジムなどの設備が充実していることです。 ただし多くの施設では、重度の要介護状態や日常的な医療ケアが必要になると退去しなくてはなりません。

 

健康型有料老人ホームの費用

 健康型有料老人ホームの入居には、多くの場合、初期費用と月額利用料が必要になります。 施設の場所や地域、設備やスタッフによって、初期費用は0~数億円、月額利用料は10~40万円程度とかなり差があります。なお健康型有料老人ホームは一般に、入居時一時金の額が高めに設定されています。 

 

健康型有料老人ホーム入所基準

健康型有料老人ホームでは、基本的には自立した人を受け入れていますが、「伝染病などの疾患がない」「身元引受人がいる」など、独自の入居基準を設定しているところもあります。

 

健康型有料老人ホームで提供されるサービスは、施設スタッフによる見守り、食事・

掃除・洗濯の世話、緊急時の対応などです。

また多くの施設が近隣の医療機関と提携しており、定期的なメディカルチェックや必要に応じた治療を受けられるようになっています。