公共の老後の住まい②「介護老人保健施設(老健)」

 「横浜のアオヤギ行政書士事務所」介護老人保健施設(老健)につき解説いたします、ご質問やご意見は下記のフォームに記載のうえ、メールにて送信下さい。  なお、返信希望のご質問には、貴メールアドレスの記載をお忘れなく。

 

 介護老人保健施設(老健)とは、介護保険が適用される介護サービスで、在宅への復帰を目標に心身の機能回復訓練をする施設です。 療養型介護老人保健施設(特養)とは、介護保険が適用される介護サービスで、病気や障害で自宅での生活が困難または在宅への復帰が困難な高齢者の日常生活の介護をする施設です。

 介護老人保健施設(老健)とは、設急性期の心身の病気や障害により、急性期病院と回復期(リハビリ)病院で治療を受けたが、自宅で自力で生活できる状態には回復せず、自宅で自力で生活できる状態に回復することを目的に、心身の機能回復(リハビリ)訓練、食事・排泄・入浴・就寝・健康管理などの日常生活の介護、心身の機能維持、通院への付き添い、急性の病気・負傷時の病院への搬送・付き添い、介護保険が適用されるサービスに関する相談などを行ない、できる限り、自宅での生活に復帰できることを目標にする施設です。 通称で老健または老人保健施設と表現されています。 療養型介護老人保健施設とは、厚生労働省の介護政策により2019(平成31)年3月31日までに、廃止と事業形態の転換を目標にしている介護療養病床の、事業形態転換後のモデルとして新設された事業形態であり、心身の病気や障害により自宅で自力で生活することが困難であり、家族による在宅介護を受けることができない状況であり、在宅介護サービス事業者による介護が困難であり、在宅介護サービス事業者による介護よりも施設入所のほうが要介護者のクオリティ・オブ・ライフ (QOL) にとって望ましい場合、食事・排泄・入浴・就寝・健康管理などの日常生活の介護、心身の機能維持、痰の吸引、点滴による水分・栄養・医薬品の投与、胃瘻からの水分・栄養・医薬品の投与、急性の病気・負傷時の病院への搬送、終末期の看取り、介護保険が適用されるサービスに関する相談などを行なうことを目的とする施設であり、介護老人福祉施設と医療療養病床の中間の施設です。 通称で療養型老健または療養型老人保健施設と表現されています。

 

サービスの種類利用形態

 ①入所、②30日以下に限定して宿泊するショートステイ、③昼間に送迎付きの通いでサービスを受けるデイケア。

入所期限

 介護老人保健施設(老健)は、リハビリスタッフや看護師、医師等の配置基準が介護老人福祉施設(特養)より多く、介護老人福祉施設より介護報酬は高く設定されています。 リハビリ等が介護老人福祉施設より充実し、できる限り在宅復帰を目標にしているため、入所期間は護老人福祉施設(特養)と違い無期限ではなく、3か月毎に退所か入所継続の判定が行われますが、現状では介護老人福祉施設(特養)の入所待機所として利用している入所者も存在します。

 療養型介護老人保健施設は、在宅への復帰は目標とせず、事業目的・サービスに看取りも含まれているので、介護老人福祉施設介護療養型医療施設医療療養病床と同様に、入所期限は無期限ですが、病気や障害の進行や悪化により、心身の状況が、療養型介護老人保健施設でケアできる範囲を超えた場合は、退所し医療療養病床や終末期病床へ転院になります。 急性期の病気障害で急性期病院に入院する場合、3か月間は入所権を維持できますが、3か月以内に退院し施設に復帰できない場合は入所権は消失し解約と退所になります。 入所権を保有した状態での入院期間は、介護報酬と食費は発生しませんが、居住費(居室利用料)は発生します。 3か月以内に退院し施設に復帰できずに退所になった場合、病気や障害が回復して、心身の状況が療養型介護老人保健施設で受け入れ可能な状態に回復して、再入所を申請した場合は、他の入所待機者よりも優先的に入所できる運用にしている事業者もあります。

 

利用対象者

要介護1~5のいずれかの認定を受けている人。

 

居室

多床室 :   一つの居室に複数のベッドを設置して複数の入所者で利用します。

従来型個室 : 一つの居室にベッドを1台設置して一室を一人の入所者が利用します。  

        以前は「個室」と表現していましたが、ユニット型の出現により「従

        来型個室」と表現さます。

ユニット型準個室 : 一つの居室にベッドを1台設置して一室を一人の入所者が利用

        します。 居室10室単位で共有スペースであるロビー、ダイニング、

        簡易キッチン、バス(複数)、トイレ(複数)を共有し、共同生活をしま  

        す。介護職員はユニットごとに専任になるります。 ユニット型個室

        との差異は、従来型・非ユニット型の介護施設をユニット型に改装し

        た場合に、多床室を分割して個室に改装した居室です。

ユニット型個室 : 一つの居室にベッドを1台設置して一室を一人の入所者が利用しま

       す。 居室10室単位で共有スペースであるロビー、ダイニング、簡易

       キッチン、バス(複数)、トイレ(複数)を共有し、共同生活をします。

       介護職員はユニットごとに専任になります。

 

 事業に必要な専門職

 医師、看護師、介護福祉士、訪問介護員、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、管理栄養士、栄養士、社会福祉士、介護支援専門員、生活相談員

 

必要な設備

 居室(多床室の定員は原則として4人以下)、食堂調理場浴室、洗面所、便所、機能訓練室、医務室、ロビー、ホール、事務室

 

入所手続き

 入所希望者本人または代理権者(通常は配偶者か子供)は、個々の事業者に入所申込書を提出し、入所希望者である要介護者の、要介護度、心身の状況、現在の滞在場所・滞在期間、受けている医療や介護の状況、在宅の場合は家族介護者の状況などの、入所優先順位を決定する要素を数値化して、総合した数値により待機者の入所優先順位を設定します(先着順ではない)。 国や都道府県や市区町村の統一申込制度は存在しません。 入所待機者は詳細な統計がないので不明ですが、介護老人福祉施設と比較すると少ないと推測されます。 いつ入所できるか不明なので、入所申込者は、入所できる時期を早め、入所できる可能性を高めるために、入所希望地域やその周辺で複数の施設に重複申し込みをして待機する状況であり、国や都道府県や市区町村の統一申込制度は存在せず、入所希望者・待機者の死亡や他施設への入所や入院により、入所申込している介護老人保健施設への入所の必要性が消失していても、入所申込者が入所申込をしている介護老人保健施設に入所の必要性が消失した状況や申し込みの取り消しを連絡する義務はなく、連絡されずに名目上・書類上だけ申し込み済みで入所待機状態になっている事例も多数あると推定されるので、実質の待機者は名目よりも少ないと思われます。

 

老健のQ&A

Q1: 特別な療養室の提供に伴う利用料を徴収している入所者が外泊した場合、そ

    の外泊中についても、当該入所者から特別な療養室の提供に伴う利用料を徴

    収できますか。?

A1: 徴収できます。

Q2: サービスを提供する前に利用申込者に対し、健康診断を受けるように求める

    ことができますか? また、健康診断書作成にかかる費用の負担はどのよう

    に取り扱うべきですか?

A2: 介護老人福祉施設(特養)介護老人保健施設(老健)認知症対応型共同生

    活介護特定施設入所者生活介護については、利用者が相当期間以上集団的

    な生活を送ることが想定されることから、健康診断書の提出等の方法により

    利用申込者についての健康状態を把握することは必要と考えられ、主治医か 

    らの情報提供等によっても必要な健康状態の把握ができない場合には、別途

    利用者に健康診断書の提出を求めることは可能であり、その費用については 

    原則として利用申込者が負担すべきものと考えられます。 また、こうした

    求めに利用申込者が応じない場合はサービス提供拒否の正当な事由に該当す

    るものとは考えられます。 介護老人保健施設(老健)における利用者等が

    選定する特別な居室等の提供に係る基準については、平成12年3月30日厚生

    省告示123号で「…サービス提供上の必要性 から行われるものでないこ

    と。」とされています。 一方、「老人保健施設における利用料の取り扱い

    について」(平成6年3月16日付け老健42号)の2の(4)では、「…痴呆症専門

    棟の個室等 施設養上の必要性から利用させる場合にあっては利用料の徴収

    は認められないものであること。」とある。 介護老人保健施設(老健)

    おける痴呆症専門棟に関する特別な室料の取扱いについては、「老健42号通  

    知」と同様の考え方に基づくものと解して下さい。

Q3: 認知症専門棟については「入所定員は、40人を標準とすること。」とされて

    いますが入所定員の上限、下限はあるのですか?

A3:認知症専門棟は、 ①一般の入所者を処遇する施設に対して、独立した別棟の建

   物あるいは建物を階数等により区分され、専ら特に問題行動の著しい認知症性老  

   人を入所させるための施設として、対象者である特に問題行動の著しい認知症性

   老人の処遇に必要な施設及び設備を設置すべきこととされ、
   ②認知症性老人の看護・介護に精通した職員が一貫して対応するため、一つの

   看護・介護単位として職員配置がなされるべきであることから、入所者の標準 

   を40床としているものであり、この趣旨を踏まえ、適切な定員数とすることが

   必要です。

Q4:認知症専門等加算に必要なデイルーム(療養室以外の生活の場として設けるも  

   のとし、対象者1人あたり2㎡以上とする)は、老人保健施設の談話室、食堂、

   リクリエーションルームのいずれかと兼用できますか?

A4:認知症専門棟については、寝たきりの状態にない認知症性老人である入所者を

   他の入所者と区別して処遇するものであり、認知症専門棟に必要なデイルームを

   談話室、食堂、リクリエーションルームと兼用することは、認知症専門棟の趣

   旨を踏まえ、デイルームでの入所者に対する施設サービスの提供に支障をきたす

   と考えられることから適切ではありません。

Q5:緊急時施設療養費のうち特定治療として算定できない項目から「湿布処置」が

   削除されましたが、「湿布処置」は特定治療として算定できますか?

A5:特定治療については、特定治療として算定できないリハビリテーション、処置、

   手術、麻酔又は放射線治療が定めており、算定できないものの取扱いは、診療

   報酬点数表の取扱いの例によるものとしています。 平成15年の改正により、

   特定治療として算定できないリハビリテーション、処置、手術、麻酔又は放射

   線治療から「湿布処置」は削除されたが、当該処置は診療報酬上「整形外科的

   処置に揚げる処置」に含まれていることから、従来どおり、特定治療として算   

   できませせん。

Q6:介護老人保健施設が医療機関の医師から情報提供を受けて訪問リハビリテーシ

   ョンを行う場合、当該医療機関は医療保険の診療情報提供料を算定できますか?

A6:保険医療機関が介護老人保健施設入所者に対して診療を行い、介護老人保健施設   

   に情報提供を行った場合は診療情報提供料を算定します。 なお、この場合、 

   医療機関からの情報提供は指示書には該当せず、情報提供を受けた介護老人保

   健施設において訪問リハビリテーション計画を作成し、当該介護老人保健施設

   医師が、所属する理学療法士等に訪問リハビリテーションの指示を出すことにな

   ります。