「横浜のアオヤギ行政書士」が自筆証書遺言につき解説致します、ご意見やご質問は下記のフォームに記載のうえ、メールにて送信下さい。 なお、返信希望のご質問は、貴メールアドレスの記載をお忘れなく。
遺言(ゆいごん、いごん)とは、日常用語としては形式や内容にかかわらず広く故人が自らの死後のために遺した言葉や文章を言います。 日常用語としては「ゆいごん」と読まれることが多いです。 このうち民法上の法制度における遺言は、死後の法律関係を定めるための最終意思の表示をいい、法律上の効力を生じせしめるためには、民法に定める方式に従わなければならないとされています(民法960条)。 法律専門家は「いごん」と読むことが多いです。
自筆証書遺言とは本人が全文と日付を手書きし、署名捺印して完成させる方式です(民法第968条)。 ワープロやパソコン作成では駄目ですし、他人の代筆、ビデオや録音テープでも法律上、無効です。 日付が空欄や「○月吉日」等の日付の特定しない遺言書も無効となります。 印鑑は認印、母印、指印でも良いと判例で示されていますが、大切な書面なので、実印を押し、印鑑証明書を添付しておくと万全です。
不動産の表示は登記簿謄本(全部事項証明書)を取寄せ、その記載通り、一字一句間違わずに書き写しておくと、相続に基づく移転登記の際スムースに所有権移転登記を完了することが出来ます。 預貯金は銀行名等を記載しなくても「現金・預貯金」と表示するだけで良いのですが、後で、「他にもあるのでは?」と他の相続人から主張されても、問題なく対応できます。 特に、注意することは、加除訂正方法です(民法第968条2項)。 普通の文書は訂正箇所の上の欄外に「三字削除五字加入」等と記載して訂正箇所に捺印しておけば良いのですが、自筆証書遺言の場合はそれでは無効になります。 例えば「百万円」を「五百万円」に訂正する場合は、欄外か書面の末尾に「○枚目に百万円とあるのを五百万円に訂正した」と記入し、その後に署名捺印しなければなりません。 この方法を間違えても遺言書は全部無効にまります。 従って、その危険を避けるためには、一字でも間違えたら全文書直しを薦めます。
訂正や書直し易くするために、鉛筆で書いても、遺言は有効ですが、 鉛筆では後から消されたり疑われる危険性があるので、お勧めできません。
遺言書は封筒に入れなくても無効ではありませんが、偽造、変造を防止し、秘密を保持する為には必ず封筒に入れ、遺言書と同じ印鑑で封印しておくことが必要です。 遺言書の保管者や、これを見つけた相続人は相続が発生した事を知った時点で速やかに家庭裁判所で「検認」手続きを取らねばなりません。 「検認」を受けるために遺言書の他に申立書、申立人相続人全員の戸籍謄本と遺言者の戸籍(出生から死亡まで全ての戸籍謄本)を提出しなければなりません。 遺言書の開封にあたっては家庭裁判所が検認期日を定めて相続人全員に呼び出し状を郵送します。 そして相続人全員の前(同席しない相続人がいた場合でも遺言の効力に影響しない)で裁判官が内容を開示するとともに、変造などを防ぐために写しを裁判所が保管します。 自筆証書遺言はこの「検認」の手続きを経てないと有効ではなく不動産登記の際に添付する書類として認められません。 また、この「検認」手続きを怠り、遺言書を勝手に開封すると過料(5万円以下)の制裁が課せられます。 開封してしまった遺言書は無効ではありませんが、家庭裁判所の「検認」を受ける際、開封した事情などを書いて家庭裁判所に申し出る事になります。 開封した遺言書の内容が自分に不利だから隠したりすると相続欠格(民法891条)となり相続権を失う可能性があります。 遺産分割協議が揉めると相続人・包括受遺者はいつでも「遺産分割の家事調停」を申し立てる事が出来ます。 家事調停が纏らない場合は、自動的に家事審判に移行し、家事審判官が一切の事情を考慮して、誰が何を受け継ぐか審判で命じます。 調停調書・確定した審判書には強制力があり、調停・審判で具体的に遺産の承継者となった者はこれらをもって単独で登記したり、引渡し命令を得たり、差し押さえたりする強制執行することも出来ます。 もし、審判に不服のある場合は、告知から2週間以内に、高等裁判所に※即時抗告という不服申立を行うことができます。
※即時抗告
審判に対する即時抗告は、特別の定めがある場合を除き、二週間の不変期間内にしなければならない。ただし、その期間前に提起した即時抗告の効力を妨げない。
2 即時抗告の期間は、特別の定めがある場合を除き、即時抗告をする者が、審判の告知を受ける者である場合にあってはその者が審判の告知を受けた日から、審判の告知を受ける者でない場合にあっては申立人が審判の告知を受けた日(二以上あるときは、当該日のうち最も遅い日)から、それぞれ進行する。
第87条(即時抗告の提起の方式等)
即時抗告は、抗告状を原裁判所に提出してしなければならない。
2 抗告状には、次に掲げる事項を記載しなければならない。
3 即時抗告が不適法でその不備を補正することができないことが明らかであるとき
は、原裁判所は、これを却下しなければならない。
自筆証書遺言の民法条文 第968条(自筆証書遺言)
1.自筆証書によって遺言をするには、遺言者が、その全文、日付及び氏名を自書
し、これに印(拇印・指印であっても構わない最判平元2.16)を押さなければな
らない。
2.自筆証書中の加除その他の変更は、遺言者が、その場所を指示し、これを変更し
た旨を付記して特にこれに署名し、かつ、その変更の場所に印を押さなければ、
その効力を生じない。
遺言に書くことが出来る事項
民法上は以下の事項について書くことが出来ます。これ以外の事項を書いても良いですが、法的拘束力はありません。
①遺産相続に関する事項
・推定相続人の廃除、廃除の取消し(民法第893条、第894条)
・共同相続人の相続分の指定又はその委託 (民法第902条)
・特別受益者の受益分の持ち戻し免除(民法903条第3項)
・遺産分割の方法の指定又はその委託、遺産分割の禁止(民法第908条)
・共同相続人の担保責任の定め(民法第914条)
・遺言執行者の指定又は指定の委託(民法第1006条1項)
行政書士などを指定又は行政書士などに指定を委託します。
②財産処分に関する事項
・包括遺贈・特定遺贈(民法964条)
・遺留分減殺方法の指定(民法第1034条)、寄附行為(一般社団法人及び一般財団
法人に関する法律第158条2項)信託の設定(信託法第3条2号)
③身分行為
・認知(民法781条2項)
・未成年者の後見人の指定(民法第839条)
・未成年者の後見監督人の指定(民法第848条)
④その他
・祭祀承継者の指定(民法第897条1項)
遺言をしておく必要性が特にある場合とは
① 夫婦の間に子供がいない場合
夫婦の間に子供がいない場合の法定相続となると、夫の財産は、妻が4分の3、夫の
兄弟が4分の1の各割合で分けることになります。 しかし、長年連れ添った妻に財
産を全部相続させたいと思う方も多いでしょう。 そうする為には、遺言をしてお
くことが絶対必要なのです。 兄弟には、遺留分がありませんから、遺言さえして
おけば、財産を全部愛する?妻に残すことが出来ます。
② 再婚した場合
先妻の子と後妻との間では、とかく感情的になりやすく、遺産争いが起こる確率も
非常に高いので、争いの発生を防ぐため、遺言できちんと定めておく必要性が
特に強いといえます。
③ 長男の嫁に財産を分けてやりたいとき
長男死亡後、その妻が亡夫の親の世話をしているような場合には、その嫁にも財産
を残してあげたいと思うことが多いと思いますが、嫁は相続人ではないので、遺言
で嫁にも財産を遺贈する旨定めておかないと、お嫁さんは何ももらえないことにな
ってしまいます。
④ 妻が内縁の場合
長年夫婦として連れ添ってきても、婚姻届けを出していない場合には、いわゆる内
縁の夫婦となり、妻に相続権がありません。 したがって、内縁の妻に財産を残し
てあげたい場合には、必ず遺言をしておかなければなりません。
⑤ 個人で事業を経営したり,農業をしている場合
その事業等の財産的基礎を分散していまうと、事業等の継続が難しくなり、問題に
なる場合が多いです。 このような事態を招くことを避け、家業などを特定の者に
承継させたい場合は、その旨を、遺言書しておきます。
⑥ 上記の場合以外に、
各相続人毎に承継させたい財産を指定したい場合とか(例えば、不動産は、お金や
預貯金と違い、事実上皆で分けることが困難な場合が多いでしょうから、これを誰
に相続させるか決めておかれるとよいです。)、あるいは、身体障害のある子に多
くあげたいとか、遺言者が特に世話になっている親孝行の子に多く相続させたいと
か、可愛いくてたまらない孫に遺贈したいとかのように、遺言者のそれぞれの家族
関係の状況に応じて、具体的妥当性のある形で財産承継をさせたい場合には、遺言
をしておく必要があります。
⑦ 相続人が全くいない場合
相続人がいない場合には、特別な事情がない限り、遺産は国庫に帰属します。 し
たがって、このような場合に、特別世話になった人に遺贈したいとか、お寺や教
会、社会福祉関係の団体、自然保護団体、あるいは、ご自分が有意義と感じる各種
の研究機関等に寄付したいなどと思われる場合には、その旨の遺言をしておく必要
があります。
遺言をしておく必要がない場合とは
① 相続人が一人しかいなくて、その相続人のみに財産を相続させる場合
この場合は、遺言を書かなくても被相続人の希望も満たされ、唯一の相続人には、
争続相手もいません。 しかし、マイナス遺産(被相続人が保証人、連帯保証人)
のある場合には、その旨を遺言書に遺しておいた方が、相続人が相続放棄や限定承
認をする場合の参考のなると思います。
② 相続財産が無い場合
プラスの遺産もマイナスの遺産もなく、遺言で認知などの身分行為の遺言を遺す必
要がない場合は、遺言作成の必要要素がないように思います。
自筆証書遺言に対する銀行の実務
銀行の実務では、 自筆証書遺言だけでは、払い戻しに応じない取扱いが多いようです。 その理由は銀行自身の都合で、リスクを取りたくないとの理由で、①自筆証書遺言は証人が不要で、だれでも簡単に作成できるだけに、その筆跡や内容をめぐって相続人間で争いが起こり易く、信用性に問題がある。②相続争に銀行が巻き込まれて、二重払いの危険を負うことは避けたい等です。 家庭裁判所の検認があるのに、どうしてと思いますが、検認というのは、遺言書のあるがままの状態を確認・保存しその後に偽造、変造があっても照合すれば、直ぐ判別できるようにするための証拠保全手続きであって、遺言書の有効性を認めるという行為ではないからです。 銀行の払い戻しには、遺言が無い場合と同様に遺産分割協議書、被相続人の出生から死亡までの連続する戸籍謄本、相続人全員の戸籍謄本と印鑑登録証明書などが要求されるわけです。
自筆証書遺言判例
①自書~他人の補助(大審院判例昭和6年7 月10日)
甲野乙男は、死期が近いことを認識し、遺言書の作成を思いつきました。 しか
し、1年近くも寝たきり状態であり、衰弱も甚だしく、筆も満足に持てません。
そこで、筆をもつ手をお手伝いさんが後方から支え、書きました。 この場合で
も、真意が曲げられたものでない限り自書で有効あると認められました。
②運筆について、他人の添え手による補助(最高裁判決昭和62年10月8日)
他人の添え手を受けてされた自筆証書遺言は、(1)遺言者が証書作成時に自筆能
力を有し、(2)他人の添え手が遺言者の手を、用紙の正しい位置に導くか、又
は支えを貸したにすぎないものであり、かつ(3)添え手をした者の意思が、介入
した形跡のないことが筆跡の上で判定できる場合には、「自書」の要件を充足し、
有効であるとされました。
③署名~氏の不記載(大審院判例大正4 年7 月3日)
吉川治郎兵衛は、資産家であることにより、相続人の争いを避けるため、遺言書を
作成しました。 自筆証書遺言の作成を勉強し、作成後は、自分の机の引き出しに
保管していました。 死後に発見された遺言書には、署名が、「をや治郎兵衛」
と、書かれただけです。 「吉川」という氏が、書かれていません。しかし、有効
な自書による遺言とされました。
④遺言書に名のみの記載 (大審院判大正4年7月3日)
遺言者が何人であるか、他人との混同を生じるおそれがないときは、氏または名
のみでもよいとされました。
⑤押印~綴じられた二枚の遺言書に契印がない(最高裁判所判決昭和36年6月22日)
A男が作成した遺言書は、横に糊付けされた二枚の遺言書でした。 二枚目に、日
付・氏名・押印が、なされていました.。 しかし、一枚目と二枚目には、契印が
ありません。 この場合、契印がなかったのですが、一通の有効な遺言書と認め
られました。
⑥ 綴じられていない二枚の遺言書に契印がない(最高裁判所判決昭和37年5月29日)
X男が作成した遺言書は、遺言用紙が二枚にわたっていましたが、二枚の遺言書に
は契印がなく、綴じ合わされていませんでした。 遺言書の二枚目には、一枚目
において譲渡すると書かれた物件が、記載されていました。 二枚の遺言書用紙
は、いずれも紙質を同じくしています。 二枚の遺言書は共に、封筒に収められて
いました。 その封筒は、遺言書の押印と同一の印で封印されて、署名がありまし
た。 この事案において、本件の遺言書は、内容・外形の両面からみて、一通の遺言
書と明認でき、有効であるとされました。
⑦日付~日付の記載の不一致(大審院判例昭和6年7月10日)
B氏は、 昭和4年1月5日に遺言書の全文を書きました。 しかし、日付の記載だ
けを、翌6日に延ばしました。 そして、 昭和4 年1 月6 日に「昭和4年1月5
日」と、日付を記載しました。 この事案において、自筆証書遺言は、有効な遺
言とされました。 遺言書の成立日は、日付の日である、「昭和4年1月5日」
と、判示されたのです。
⑧日付~「吉日」との記載 (最高裁判所判決昭和54年5月31日)
Y氏は、長男から遺言書の作成を懇願され、資産を調べたうえで、自筆証書遺言書
を作成し保管していました。 Y氏の、死後に発見された遺言書の日付は、「昭和
四拾壱年七月吉日」と記載されていました。 これは、暦上の特定の日を、表示
したものとはいえません。 よって、日付の記載を欠くものですから、無効な遺書
言であるとされました。
⑨ カーボン紙を用いて複写の方法で記載 (最高裁判決平成5年10月19日)
遺言の全文・日付・及び氏名が、カーボン紙を用いて複写の方法で記載されたとし
ても、「自書」の要件に欠けることはないとされました。
⑩ 押印を欠く英文の遺言(最高裁判決昭和49年12月24日)
署名はあるが、押印を欠く英文の自筆証書遺言につき、遺言者が一般に押印の習慣
を持たない帰化した人であること等の事情から、遺言書を有効とした原審の判断は
正当であるとされました。
⑪ 印鑑の代わりに拇印指印で押印(最高裁判決平成元年2月16日)
自筆証書における押印は、遺言者が印章に代えて拇印その他の指頭に墨・朱肉等を
付けて指印することをもって足りるとされました。
⑫ 押印はないが封筒の封じ目に押印がある遺言書(最高裁判決平成6年6月24日)
遺言書の本文の自署名下には押印がなかったが、これを入れた封筒の封じ目にされ
た押印があれば、押印の要件に欠けることはないとされました。
⑬ 明らかな誤記の訂正(最高裁判決昭和56年12月18日)
自筆証書遺言における証書の記載自体からみて、明らかな誤記の訂正については、
本条2項所定の方式の違背があったとしても、遺言の効力に影響を及ぼさないとさ
れました。
⑭ 遺言書の変造(埼玉地裁判決平成20年9月24日)
亡くなったAが所有していた土地建物のについて、Aの相続人として長男Bと長女
Cがおり、Aと同居していた長女CはA作成の「すべて長女Cにまかせる。」とい
う自筆証書遺言を保管していました。 裁判所は遺言書の日付がAの筆跡と異な
り、長女Cによって書かれたものであると認め、その行為は民法891条5号にいう遺
言書の変造にあたり、遺言書を変造した長女Cは相続欠格者となり、Aの遺産は長
男Bのみが相続するとしました。
⑮不動産目録のみがタイプライターにより記載(東京高裁:昭和59年3月22日)
自筆証書遺言を作成する場合、必ず遺言者本人による自筆によって記載されなけれ
ばなりません。 このケースの場合、署名や日付、本文に関しては自筆で記載され
ていながら、相続させる不動産目録の部分だけタイプライターで添付されていまし
た。 遺言者本人の意思により担当士業が作成したものでしょうが、遺言者本人が
タイプ印書したのもではなく、また、遺言書の最も重要な部分でもあるので、民法
968条1項の要件を満たしていない、という事で無効とされました。
⑯ 遺言者の筆跡を鑑定人の鑑定結果(東京高裁:昭和63年4月26日)
新たな私的鑑定書との比較で、この遺言書が被相続人の自筆によるものだと認めら
れた。 東京地方裁判所では、最初の鑑定結果を採用し遺言書は被相続人の自筆
によるものではないと判決を下すが、その後控訴審における同じ結果の鑑定書と、
控訴人の提出したいわゆる私的鑑定書の鑑定結果とを詳細に比較検討されました。
その結果、遺言書に記載された筆跡が非常に被相続人の特徴を現しているとして、私的鑑定証を採用。また、最初の2通の鑑定書はささいな相違を指摘するにすぎず、遺言書の文字が偽装によるものだと理解し難い状況から、この筆跡は被相続人のものだと認められました。
検認申立て必要書類
1. 申立書
2. 標準的な添付書類
※ 同じ書類は1通で足ります。
※ もし、申立前に入手が不可能な戸籍等がある場合は、その戸籍等は、申立後
に追加提出することでも差し支えありません。
※ 戸籍等の謄本は、戸籍等の全部事項証明書という名称で呼ばれる場合があり
ます。
※ 審理のために必要な場合は、追加書類の提出を要請されることがあります。
共通必要添付書類
1. 遺言者の出生時から死亡時までのすべての戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本
2. 相続人全員の戸籍謄本
3. 遺言者の子(及びその代襲者)で死亡している方がいる場合、その子(及びその 代襲者)の出生時から死亡時までのすべての戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本
相続人が遺言者の(配偶者と)父母・祖父母等(直系尊属)(第二順位相続人)の場合の必要書類
4. 遺言者の直系尊属(相続人と同じ代及び下の代の直系尊属に限る(例:相続人が
祖母の場合、父母と祖父))で死亡している方がいる場合、その直系尊属の死亡
の記載のある戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本
相続人が不存在の場合、遺言者の配偶者のみの場合、又は遺言者の(配偶者と)の兄弟姉妹及びその代襲者(甥姪)(第三順位相続人)の場合の必要書類
5. 遺言者の父母の出生時から死亡時までのすべての戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本6. 遺言者の直系尊属の死亡の記載のある戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本
7. 遺言者の兄弟姉妹に死亡している方がいる場合、その兄弟姉妹の出生時から死亡
時までのすべての戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本
8. 代襲者としての甥め姪に死亡している方がいる場合、その甥又は姪の死亡の記載
のある戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本
自筆証書遺言Q&A
Q1: 自筆証書遺言書の内容に亡父が常々言っていた事と全く違う整合性の取れない
内容でした。 真正の遺言書かどうか調べる方法はありますか?
A1: 取急ぎ証拠集めをして、他の相続人と協議をします。 その協議に合意できな
い場合は、家庭裁判所に調停の申立てを行います。 調停がうまく纏まらない
は、遺言無効確認訴訟を提起します。 遺言の無効争訟に勝訴するには、確実な証
拠集目が必要です。 自筆証書遺言は家庭裁判所で検認の手続を済ましているはず
なので、他の相続人からコピーを入手できない場合でも、家庭裁判所から遺言書の
コピーを入手することが出来ます。 また、亡父が遺言を作成した際の状況に問題
が無かったか等を確認するために、病院からカルテ等の資料を入手します。 看護
記録には亡父の具体的な言動が記入されていることが多いので、そこから遺言の法
的要件に合致しているか調査します。 遺言書の真正判断基準について、家庭裁判
所は下記の状況を考慮して判断することになります。
①遺言の内容(遺言者の従前の発言・意向との整合性、遺言者と相続人の関係の整合
性、遺言の目的である財産内容との整合性等)、
② 筆跡鑑定(筆跡の類似性)、
③筆跡鑑定(筆跡の特徴)、④自書能力があったかどうか、⑤偽造可能性はあるのか
どうか、
⑥遺言書発見の経緯はどうか
Q2: 封筒に入ってない遺言書が見つかりました、封書でない遺言書は無効ですか?A2: 法的に規定はありませんので、無効ではありません。 しかし、遺言書は封筒 に封印し、信頼できる相続人に預けるか、確実に遺族が発見できるような貸金庫など
の安全な場所に保管しましょう。 封筒に入った遺言書を、勝手に封を開けると5
万円以下の過料に処せられます。 封書に封印がある遺言書は相続人又はその代理
人が出席しなければ検認手続きが出来ません。 封書でない遺言書の中身を検認前
に見ることは問題ありません。 また、検認申立をした遺言書の保管者が出席すれ
ば検認手続きが出来ます。 詳しくは、お近くの家庭裁判所に問い合わせ下さい。
Q3: 遺言書の文字が下手で読み難い字がありますが、どうしたら良いですか?
A3: 遺言書の文字が読み難くても、なんとか判読できる場合は有効です。 検認調書
を添付した遺言書で銀行口座解約に応じてくれるはずです。 しかし、法務局の登
記では、遺言書の文字が一般人に読めるものでないと判断すれば審査で撥ねるか、
相続人全員の上申書と印鑑証明書を揃えて提出するように要請されことがありま
す。 最高裁判所の判断(昭和58年3月18日)は QTE「遺言の解釈にあたって
は、遺言書の文言を形式的に判断するだけでなく、遺言者の真意を探求すべきであ
り、遺言書が多数の条項からなる場合そのうちの特定の条項を解釈するにあたって
も、単に遺言書の中から当該条項のみを他から切り離して抽出しその文言を形式的
に解釈するだけでは十分ではなく、遺言書の全記載との関連、遺言書作成当時の事
情及び遺言者の置かれていた状況などを考慮して遺言書の真意を探求し当該条項の
趣旨を確定すべきである」UNQTE
Q4: 遺言書の一部を訂正したいが、その方法は?
A4: 具体的な修正方法は、
①文章の一部を削除する場合は削除する箇所に二重線を引いて明示する。
②加筆する場合は「{」等で加筆する部分を明示して加筆内容を記載する。
③削除や加筆した部分に押印する。
④空白の部分に「第○行中 ○字削除 ○字加入 署名押印」と記載する。
Q5: 日付の書き方の制約はありますか?
A5: 西暦でも年号でもよく、参考に○×両方を記載します。
○ 平成26年2月1日
○ 2014年2月1日
○ 平成26年2月末日
× 平成26年2月吉日
○ 遺言者の70才の誕生日
検認手続きQ&A
①Q 相続人には、検認手続が行われることをだれが連絡するのですか? また、相
続人のなかには、齢で出頭出来ない人がいるのですが、問題ありませんか?
A 相続人には、申立後、裁判所から検認期日(検認を行う日)の通知がされます。 申立人以外の相続人が検認期日に出席するかどうかは、各人の判断に任されてお り、全員がそろわなくても検認手続は行われます。
②Q 認期日には何を持って行けばよいのですか?
A 申立人は、遺言書、申立人の印鑑、そのほか担当者から指示されたものを持参し 下さい、特に、遺言書は忘れないように、必ず持参して下さい。
③Q 検認期日には、どのようなことを行うのですか?
A 申立人から遺言書を提出していただき、出席した相続人などの立会のもと、封
筒開封し、遺言書を検認します。
④Q 検認が終わった後は、どうすればよいのですか?
A 遺言の執行をするためには、遺言書に検認済証明書が付いていることが必要です で、検認済証明書の申請(遺言書1通につき150円分の収入印紙と申立人の印必要と
なります。)をして下さい。
自筆証書遺言の記載例
遺言書
遺言者、行政太郎は、遺言者の有する不動産、預貯金、その他一切の財産を、長男行政一郎(昭和○年○月○日生)、二男行政次郎(昭和〇年○月○日生)、及び長女行政花子(昭和○年○月○日生)の3名にそれぞれ、3分の1の割合で相続させる。 遺言者は、この遺言の執行人として、下記の者を指定する。 住所:横浜市中区本牧1-1-1 氏名:行政書士 青柳保廣
平成26年1月1日
住所:横浜市○○○○
遺言者:行政太郎(印)
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